爪が食い込んで痛くなる状態を「陥入爪」、爪が丸く曲がって痛くなることを「巻き爪」といいます。
外来で診療しているとしばしば受診され、決して珍しい状態ではありません。
受診科は皮膚科、形成外科、整形外科、外科と多岐に及び、多くは手術が選択されてきました。
爪をはがすだけ。案外これだけを受けている患者さんもいらっしゃいますが、爪が生えてくればほぼ100%%再発します。
数年前までの代表的な方法。食い込んでいる爪を爪根部も含めて切除して、皮膚と爪の部分を直接縫合します。
これをやればほぼ陥入爪は治癒しますが、爪は小さくなり術後2週間くらいは激痛があり、術後2次感染を起こす危険もありました。
ここ数年好んでやってきた方法です。
食い込んでいる爪だけを切除して、爪根部をフェノールという薬品で腐食させ食い込んだ部分の爪が生えてこないようにします。
鬼塚法のように術後痛みがほとんど無く、皮膚を切ってはいないので2次感染の心配もほとんどありません。
しかし、爪はやはり小さくなり、腐食のため、2週間から長いときは1ヶ月ガーゼ交換が必要です。また効果が鬼塚法に比べると不確実です。
今までの方法との違い
メッリットだらけの治療法で、陥入爪の治療のファーストチョイスとして試行。
爪を切ること無く爪の大きさはそのままで、翌日から入浴可能。麻酔も少量です。
爪が湾曲して痛みが有る場合(巻き爪)は、ガター法や従来からのフェノール法など、いわゆる陥入爪の治療法では満足する結果が得られません。
巻き爪の治療法の一つに超弾性ワイヤーを用いた治療があります。
湾曲してる爪を弾性ワイヤーの力で開いて矯正する方法です。痛みはほとんど無く、麻酔も不要です。
陥入爪ではないため保険の適応になりません。
初診時 ワイヤーを入れて一指を矯正する場合、12,000円。ワイヤー1本で2度は最低使えます。
再診代 2,000円。
再診時 ワイヤーを入れ直すと、再診代2,000円 + 処置代1,000円。
VHO-オストホルストーシュパンゲという爪矯正金具を装着することにより、陥入爪、今までの治療法では困難だった極度の巻き爪も、手術なし、ほとんど無痛で加療でき、再発の確率も低い。
VHO-オストホルストーシュパンゲで巻いた爪を持ち上げる事により痛みを鎮め、爪の自然な成長を修復するという、ある意味画期的な方法です。
治療は完全自費になります。
VHO法による治療手順
横スクロールで手順画像が閲覧できます
初診時 VHO-オストホルストーシュパンゲ装着した場合 15,000円
再診時 2,000円
3~4ヶ月に一度シュパンゲを取り替えた時 13,000円
通院はおおよそ、1週後、1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後、9ヶ月後、1年後シュパンゲは3,4ヶ月で金属疲労をして矯正力が低下するので新たなシュパンゲに交換します。